百笑会会報のお気に入り記事
百笑会9月号に載りました記事が記憶に残りましたのでブログに記載しました。(秋田さん、お断り無しに記載しました事、お許しください。)
真昼に羽化した油蝉
秋田一貫
7月26日正午頃、桔梗が丘駅前大通りのケヤキ並木で、油蝉が羽化しかけているのを見つけた。幼虫(おも)の背中が割れて、青白い成虫が半分出かかっている。時刻が時刻なので、初めは羽化に失敗したものと考えたが、よく見ると細い肢を動かしており、12:30には完全に脱皮した。そしてみるみる翅が伸展し、夕方には全体が暗褐色に色付き、立派な♂成虫となった。こんな経験は初めてである。蝉の羽化は、天敵(鳥)の目につかない夜中に行われると思い込んでいた私には衝撃だったが、昆虫といえども時には破天荒で型破りの行動に出る事を知った。
そう言えば、カブトムシやクワガタムシは元来夜行性だが、昔は昼間でもクヌギの樹液に集まっているのをよく捕えた。当時は個体数も多く、生息密度が高かったので、夜中だけの時間帯では、吸液の順番が回って来ない固体もあって、やむなく昼でも出て来ざるを得なかったのであろう。
最近では、アメリカの蜜蜂が巣箱から忽然と居なくなる事件が相次いでいるらしい。せっせと集めた花蜜を片っ端から人間に奪われ最早働く意欲も失せて夜逃げしたのではあるまいか。中世農民が領主の苛斂誅求に堪えかね、逃散したのと同じ構図だ。一寸の虫にも五分の魂と言うことか。
☆ 魂消えたり真昼に羽化の蝉を見つ夜中の事とのみ思いしに
☆
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